「電気代、そろそろ下がるのかな?」
6月も終わりが近づき、そう期待している人もいるかもしれません。
ただ、東京電力の料金推移を30A・200kWhのケースで試算すると、2026年3月は約5,801円だったのに対して、7月は約6,821円。3月と比べると、約1,020円高い水準です。
4月、5月、6月と電気代について見てきましたが、7月時点でも「しっかり高い」状態が続いています。
一方で、ここから少しややこしいのが、7月使用分から政府の電気代補助が始まることです。
つまり、7月の電気代を見るときは、「今月の請求」と「これから反映される補助金」
を分けて考える必要があります。
7月の料金は、まだ補助金反映前の高止まり

今回のグラフでは、2026年3月から7月までの電気料金を同じ条件で比較しています。
条件は、東京電力・30A・200kWh使用の想定です。
グラフを見ると、3月は約5,801円。そこから4月に約6,433円、5月に約6,785円、6月に約6,799円、そして7月は約6,821円となっています。
大きく跳ね上がっているというより、5月以降は6,800円前後で高止まりしているイメージです。
ここで大事なのは、「7月になったから一気に安くなった」という状況ではないこと。
7月使用分から補助金は始まりますが、請求上の反映タイミングは検針日や契約内容によってズレることがあります。今回の可視化では、7月使用分の補助金はまだ反映していません。
このグラフは「補助金が入る前の電気代の実力値」に近いものとして見るとわかりやすいです。
4月以降、電気代はなぜ上がったのか
ここまでの流れを整理すると、まず4月の上昇は政府補助の縮小・終了が大きな要因でした。
それまで補助金によって抑えられていた分がなくなり、いわば“本来の価格”に戻ったような感覚です。
そして5月以降は、再エネ賦課金の単価が上がりました。
再エネ賦課金とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーを普及させるための費用を、電気を使う人全体で負担する制度です。
今回の試算では、再エネ賦課金単価は5月以降4.18円/kWh。200kWh使うと、再エネ賦課金だけで月836円になります。
もちろん、これは単純に「再エネが悪い」という話ではありません。
再生可能エネルギーを広げるにはコストがかかる。そのコストを社会全体で負担している。そういう構造として見た方が、かなり実態に近いと思います。
7月も燃料費調整は少しだけ悪化
もうひとつ見ておきたいのが、燃料費調整額です。
今回のグラフでは、燃料費調整額を電力量料金に含めて表示しています。
燃料費調整単価は、3月が-12.09円/kWhだったのに対して、7月は-7.19円/kWh。マイナスではあるものの、3月と比べると割引幅がかなり小さくなっています。
200kWh使う場合、燃料費調整単価が1円変わるだけで、月200円変わります。
つまり、燃料費調整単価の動きは、一人暮らしの電気代にもかなり直接効いてくるということです。
ここには、LNG価格や為替、世界情勢なども関係してきます。
ニュースで見る中東情勢や円安は、どこか遠い話に見えます。でも実際には、こうした要因が発電コストに影響し、毎月の電気代にもつながっているんですよね。
補助金で下がっても、それは構造改善ではない
ここで7月使用分から始まる補助金の話です。
一般家庭向けの低圧電気では、7月使用分から電気代の負担軽減策が始まります。200kWhで考えると、一定の値引き効果が出ることになります。
なので、次回以降の請求では「少し下がった」と感じる人も出てくるかもしれません。
ただし、ここで気をつけたいのは、補助金による値下がりは「電気代の構造そのものが安くなった」という意味ではないことです。
燃料費調整、再エネ賦課金、基本料金、電力量料金。
これらの仕組み自体が大きく変わったわけではありません。
あくまで政策によって、家計負担が一時的に抑えられている状態です。
だから、「補助金で下がったから安心」と見るよりも、「本来の料金はいくらで、どの部分を補助金が抑えているのか」を見る方が大事です。
固定費は、仕組みを知るだけで見え方が変わる
電気代は、ただの固定費に見えて、実はかなりいろいろな要因で動いています。
補助金が入れば下がる。
補助金が終われば戻る。
再エネ賦課金が上がれば負担が増える。
燃料価格や為替が動けば、燃料費調整額も変わる。
こうして見ると、電気代は「なんとなく高いもの」ではなく、ちゃんと理由があって動いていることがわかります。
東京で一人暮らしをしていると、家賃、通信費、電気代、サブスクなど、毎月の固定費はけっこう重いです。
だからこそ、ただ我慢して節約するだけではなく、仕組みを理解して、自分でコントロールできる部分を増やしていくことが大切です。
電力会社を比較する。
ポイント還元を確認する。
市場連動型プランのリスクを知る。
使用量をざっくり把握する。
こうした小さな理解の積み重ねが、「なんとなく払う」を減らしてくれます。
自分にとって必要なものを残しつつ、仕組みを知ってムダを減らすこと。
7月の電気代は、補助金が始まる前後のちょうどいい観察ポイントです。
「高い」「安い」で終わらせず、なぜそうなっているのかを見る。
そこが、暮らしのコスパを上げるいちばん手堅いやり方だと思います。


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