8月の記事では、東京電力の電気代が約6,821円から約6,205円まで下がった話をしました。
ただ、その理由は「電気そのものが安くなった」からではなく、政府の補助が入ったからでした。
そして9月分。
同じく東京電力の従量電灯B、30A・200kWhで試算すると、料金は約6,067円。
8月より、さらに約138円下がります。
グラフを見ると、5月から7月まで6,800円前後で高止まりしていた電気代が、8月、9月と続けて下がっています。
「やっと落ち着いてきたのかな」と思いたくなるところですが、今回も中身を見ると少し違います。
9月は900円分の補助が入る

9月請求分では、国の電気・ガス料金支援による値引きが1kWhあたり4.5円入っています。
200kWh使う場合、4.5円 × 200kWh = 900円。
8月分の補助は700円だったので、9月はさらに200円支援が厚くなっています。
これは、電気使用量が増えやすい8月使用分について、家計負担をより強く抑えるためです。
資源エネルギー庁によると、低圧電気の支援額は7月使用分と9月使用分が3.5円/kWh、8月使用分だけ4.5円/kWhとなっています。
東京で一人暮らしをしていると、夏はどうしてもエアコンの使用時間が増えます。
「補助金があるからエアコンを使っていい」という単純な話ではないですが、暑さを我慢して体調を崩すより、必要な電気は使いつつ負担を抑える。
今回の支援は、かなり現実的な設計だと思います。
900円補助されても、8月との差は138円だけ
ここで少し面白いのが、9月は900円も補助されているのに、8月から下がった金額は約138円しかないことです。9月分の燃料費調整単価は、補助反映後でマイナス10.96円/kWh。
8月はマイナス10.27円/kWhだったので、0.69円分だけ9月の方が安くなっています。東京電力も、9月分は8月分より0.69円/kWh低いと公表しています。
200kWhなら、0.69円 × 200kWh = 138円。
つまり、今回のグラフで8月から9月に下がっている138円は、そのまま燃料費調整単価の差です。
補助がなければ、実は約6,967円
そして今回も、いちばん見ておきたい数字はグラフの棒の高さではありません。
9月の支払額は約6,067円ですが、補助を除くと約6,967円になります。
ほぼ7,000円です。
3月の約5,801円と比べれば、補助なしでは1,000円以上高い水準が続いています。
つまり、8月、9月と請求額は下がっているものの、「電気料金の問題が解決した」という状態ではありません。政策によって家計への衝撃を一時的に吸収している状態に近いです。
ここは8月の記事と同じで、かなり大事なポイントです。
電気代は数か月前の世界情勢を映している
燃料費調整額は、その月のニュースをそのまま反映するわけではありません。
東京電力によると、2026年9月分の燃料費調整単価は、2026年4月から6月までの燃料の貿易統計価格などをもとに決まっています。
つまり、私たちが9月に払う電気代には、数か月前の原油やLNG、石炭の価格が時間差で入ってきます。
日本はエネルギー資源を海外からの輸入に大きく頼っているので、為替や中東情勢、燃料価格の変化は、しばらくしてから家計に届きます。
ニュースで見る「原油価格」や「LNG価格」は、一見すると投資家や企業向けの話に見えます。
でも、数か月後には自分のワンルームや1Kの電気代に混ざっている。
こう考えると、世の中のニュースと生活費は意外と近いです。
夏の補助が終わった後をどう見るか
9月分は、今回の夏の支援の中では補助が最も大きい月です。
そのため、約6,067円という数字だけを見て「これくらいが普通」と考えるのは少し危険です。
補助前なら約6,967円。この差は900円あります。
今後、補助額が小さくなったり支援が終了したりすれば、燃料価格が変わらなくても請求額は上がります。そのときに「急に電気代が高くなった」と感じるか、「補助がなくなった分が戻った」と理解できるか。この違いは、地味ですが家計管理ではかなり大きいです。
固定費は、金額より理由を見る
一人暮らしのお金を整えるとき、全部を最安にする必要はないと思っています。
電気代を100円下げるために真夏のエアコンを我慢するのも、あまりコスパのいい節約とは言えません。それより、
今月はいくら使ったのか。
なぜ前月より下がったのか。
補助はいくら入っているのか。
補助がなければいくらなのか。
このくらいを知っておく方が実用的です。
8月は約6,205円。9月は約6,067円。数字だけ見ると、2か月連続で電気代は下がりました。
でも、9月は900円の補助が入っていて、補助なしなら約6,967円です。
安くなったこと自体は素直にありがたい。そのうえで、「なぜ安いのか」まで知っておく。世の中の仕組みを理解して生活のコスパを上げるなら、こういう固定費の見方がちょうどいいと思います。


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