東京の賃貸でガス給湯器をよく見るのはなぜ?住宅事情から考えてみた

光熱費

東京で一人暮らしの部屋を探していると、物件情報の設備欄で「ガス給湯」という
文字をよく見かけます。一方、実家が戸建てだった人のなかには、
「エコキュートだった」「オール電化だった」という人もいるかもしれません。
この違いは、東京の人がガス好きだから生まれているわけではありません。
住宅の建て方や、持ち家か賃貸かといった条件が大きく関係しています。
給湯器の仕組みを知っておくと、部屋探しの際に設備欄を少し違った目で見られるようになります。

集合住宅ではガス給湯器が8割超

環境省の2023年度調査によると、ガス給湯器・風呂がまを使っている割合は、戸建住宅で49.4%、集合住宅では83.1%でした。集合住宅では、実に8割以上がガス給湯です。
反対に、エコキュートなどの電気ヒートポンプ式給湯器は、戸建住宅では28.3%あるものの、
集合住宅では3.4%にとどまります。
なぜ、ここまで差があるのでしょうか。
エコキュートは、空気の熱を使ってお湯を沸かし、タンクにためる設備です。
そのため、ヒートポンプユニットと貯湯タンクを置く場所が必要になります。
庭や建物の脇にスペースを確保しやすい戸建住宅なら設置しやすい一方、
マンションやアパートでは、各住戸に大きなタンクを置くのが難しい場合があります。
ガス給湯器は比較的コンパクトで、必要なときにその場でお湯をつくる方式です。
ベランダや共用廊下側、パイプスペースなどにも設置しやすく、集合住宅との相性がよいのです。

民営賃貸でもガス給湯器が約8

住宅の所有関係で比べても、同じ傾向が見えます。ガス給湯器・風呂がまの使用率は、
持ち家・分譲住宅で57.3%。それに対して、民営賃貸住宅では80.3%です。
一方、電気ヒートポンプ式給湯器は、持ち家・分譲では23.4%ですが、
民営賃貸ではわずか3.2%でした。ここには、お金を払う人の違いも関係していると考えられます。
持ち家の場合、給湯設備を購入する人と、毎月の光熱費を払う人は基本的に同じです。そのため、
初期費用が高くても、長く使ったときの省エネ性能を考えて設備を選びやすくなります。
一方、賃貸では設備を選ぶのは大家さんや管理会社で、光熱費を負担するのは入居者です。まだ使える既存のガス給湯器を、わざわざ大がかりな工事をして交換するメリットは小さくなります。
東京には集合住宅や賃貸物件が多いため、その結果として、ガス給湯器を目にする機会も多くなると考えられます。

部屋探しでは「ガスか電気か」だけで判断しない

ただし、ガス給湯器だから料金が高い、電気式だから必ずお得、というほど単純ではありません。
まず確認したいのは、ガスの種類です。都市ガスとプロパンガスでは料金体系が異なり、同じような間取りでも月々の負担に差が出る可能性があります。
オール電化物件なら、給湯設備が電気温水器なのか、エコキュートなのかも確認したいところです。
どちらもタンクにお湯をためますが、仕組みや電気の使い方は同じではありません。
タンク式の場合は容量も重要です。お湯を多く使う生活では、容量が小さいと湯切れが気になることがあります。内見や契約の前には、次の点を見ておくと安心です。

  • 給湯器の種類
  • 都市ガスかプロパンガスか
  • 電気式なら電気温水器かエコキュートか
  • タンク式なら容量はいくつか

東京の賃貸でガス給湯器が多いのは、単なる地域の好みではなく、集合住宅の多さや設置スペース、設備を選ぶ人の違いが関係しています。
生活費を抑えるには、料金そのものだけでなく、なぜその設備が使われているのかを知ることも大切です。物件情報の小さな設備欄にも、その街の住宅事情やコストの仕組みが表れています。

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