東京で一人暮らしをしていると、家賃や食費、電気代など、毎月の生活費が気になりますよね。
引っ越しを考えるときも、まずチェックするのは家賃や駅からの距離ではないでしょうか。
でも、意外と見落としがちなのが「水道代」です。
実は水道料金は、全国どこでも同じではありません。
同じ量の水を使っていても、住む街によって請求額が変わるんです。今回は東京23区、横浜市、川崎市、さいたま市、船橋市の5地域を比較。世の中の仕組みを知ることで、生活費を少し考えてみます。
同じ20m³でも、水道代は最大3,020円違う
まずは、2か月で20m³の水を使った場合の料金を比較してみます。
条件は、水道メーターの口径20mm、水道・下水道料金の合計、税込み。2026年10月時点の通常料金をモデルにしています。

今回比較した5地域では、最も安かったのが川崎市の3,080円。続いて横浜市が3,614円、東京23区が4,532円、さいたま市が4,985円、船橋市の千葉県営水道区域が6,100円となりました。
最も安い川崎市と船橋市では、2か月で3,020円もの差があります。
同じ水を、同じ量だけ使っているのにこの違い。ちょっと驚きませんか?
ちなみに、横浜市と川崎市は同じ神奈川県内。それでも料金は異なります。
水道代は都県ごとに一律ではなく、水道事業者や自治体の料金制度によって決まっているんです。
水道料金だけじゃない。下水道料金にも地域差がある
そもそも、普段まとめて「水道代」と呼んでいるものには、水道料金と下水道料金が含まれています。
水道料金は、家庭に水を届けるための費用。下水道料金は、使った水を集めて処理するための費用です。この2つを分けて比較してみると、地域ごとの違いがさらに見えてきます。

例えば、東京23区では水道料金が2,816円、下水道料金が1,716円。
一方、川崎市は水道料金1,584円、下水道料金1,496円です。
つまり、地域差は水道料金だけでなく、下水道料金からも生まれているということ。
水道水をつくって届ける設備と、使った水を処理する設備。それぞれに維持管理のコストがかかります。水道代には、私たちが普段あまり意識しないインフラの費用が含まれているわけです。
水を多く使うと、安い街の順位も変わる?
もう一つ気になるのが、水の使用量による違いです。先ほどは2か月20m³で比較しましたが、10m³、30m³、40m³と使用量を変えたらどうなるのでしょうか。

ここで面白いのが東京23区と横浜市です。
20m³では東京23区が4,532円、横浜市が3,614円で、横浜市のほうが安くなっています。
ところが40m³になると、東京23区が9,768円、横浜市が10,104円。今度は横浜市のほうが高くなります。なぜこんなことが起きるのでしょうか。
理由の一つは、使用量に応じた料金の設定が地域によって違うからです。
多くの水道事業者では、水を使う量に応じて1m³あたりの単価が段階的に変わる仕組みを採用しています。そのため、水道代が安い街は、どんな使用量でも必ず安いとは限らないんです。
一人暮らしなのか、二人暮らしなのか。普段どれくらい水を使うのかによっても、料金の見え方は変わってきます。
その差、年間にするとどれくらい?
2か月ごとの水道料金だと、地域差はそれほど大きく感じないかもしれません。
では、同じ使用量が1年間続くと仮定するとどうでしょうか。

2か月20m³の使用量が年間6回続くモデルでは、東京23区の年間料金は27,192円。
川崎市なら18,480円で、東京23区より年間8,712円安い計算です。
一方、船橋市の比較対象区域では36,600円。東京23区との差は年間9,408円になります。
川崎市と船橋市の差は、年間18,120円です。
もちろん、水道代だけで住む場所を決めるわけではありません。家賃や交通費、通勤時間など、もっと大きな要素もあります。それでも、こうした違いを知っておけば、引っ越し先の生活費を考えるときの判断材料が一つ増えます。
生活のコスパを上げるには、料金の裏側を知ること
水道料金に地域差があるのは、単純にどこかの街が割高な料金を設定しているから、という話ではありません。水源や浄水施設、水道管の整備状況、施設の維持管理など、地域ごとに必要なコストが違います。普段当たり前のように使っている水道も、実は大きなインフラに支えられています。
今回の比較で大切なのは、「どの街が一番安いか」だけではなく、同じサービスでも、地域の仕組みによって生活費が変わると知ることです。
東京で一人暮らしをしていると、節約といえば「使う量を減らすこと」を考えがちです。
でも、世の中の制度や料金の決まり方を理解することも、生活のコスパを上げる一つの方法。
まずは自分の住んでいる街の水道料金を、一度チェックしてみてはいかがでしょうか。
※比較は2026年10月時点の通常料金を用いたモデル試算です。呼び径20mm、2か月20m³、税込み、臨時減免なし。船橋市は千葉県営水道の給水区域を対象としています。実際の料金は契約条件や使用量によって異なります。年間料金は同じ使用量と料金が続くと仮定した試算です。


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