8月、9月と続けて下がっていた電気代ですが、10月は少し流れが変わります。
東京電力の従量電灯Bを30Aで契約し、月200kWh使うケースで試算すると、9月は約6,067円。10月は約6,399円です。前月より、332円アップ。
それでも10月分には、国の電気・ガス料金支援がまだ入っています。低圧電気では1kWhあたり3.5円の値引きなので、200kWhなら700円分です。
つまり、「補助が終わったから上がった」わけではありません。
むしろ補助が続いているのに、電気代が上がっています。
10月は、補助が少し縮小した

9月分の補助は4.5円/kWhでした。それが10月分では3.5円/kWhに縮小しています。
200kWhなら、9月は900円分の補助、10月は700円分の補助なので、補助だけで200円分の差が出ます。ここに燃料費調整単価の変化も重なります。
9月はマイナス10.96円/kWhでしたが、10月はマイナス9.30円/kWh。
マイナス幅が1.66円小さくなっています。東京電力も、10月分は9月分より1.66円/kWh上昇すると公表しています。200kWhなら、単純計算で332円。
今回のグラフで9月から10月に上がった金額とちょうど同じです。
補助がなければ、10月は約7,099円
今回のグラフでは、10月の支払額は約6,399円です。ただし、補助がなければ約7,099円。
ついに7,000円台です。8月、9月と請求額が下がっていたので、なんとなく「電気代も落ち着いてきた」と感じていた人もいるかもしれません。でも、本来の料金水準を見ると、そうでもありません。
補助金が家計の負担を700円分押し下げてくれているから、6,000円台に収まっている。
今の電気代は、そういう状態です。
その裏で、世界のエネルギー市場はかなり不安定
10月の料金を見るときに気になるのが、中東情勢です。
9月前半には、米国とイランをめぐる緊張が続き、原油市場にもかなり強い影響が出ました。
9月10日には、中東でのタンカー攻撃や供給不安を背景に、北海ブレント原油と米WTI原油がともに1バレル100ドルを超えました。ブレントは107ドル台まで上昇しています。
さらにサウジアラビアでは、東西を結ぶ主要な石油パイプラインが攻撃を受けて停止。ホルムズ海峡を迂回する重要ルートだったため、世界の原油供給への不安が一気に強まりました。
トランプ大統領は9月12日、この攻撃についてイランが関与した可能性が高いとの認識を示しました。一方で、直接的な軍事介入については慎重な姿勢も示しています。
サウジ側も、フーシ派の攻撃や紅海ルートの不安定化で原油供給にかなり大きな影響を受けています。IEA(国際エネルギー機関)によると、8月のサウジの原油供給は30年以上ぶりの低水準まで落ち込んだとされています。
貿易戦争も、生活コストと無関係ではない
もうひとつ見ておきたいのが、アメリカを中心とする貿易摩擦です。
9月初めのG20財務相会合では、アメリカが中国の輸出政策を強く問題視し、各国も貿易の不均衡について議論しました。一方で、米国自身の関税政策も世界経済の不確実性を高めているという批判が出ています。関税の話は、電気代とは別の話に見えるかもしれません。
でも実際には、輸入品の価格、物流コスト、原材料価格、為替などを通じて、家計に回ってきます。
電気代も同じです。日本は原油、LNG、石炭など、発電に使う燃料の多くを海外から輸入しています。
そのため、中東で何か起きる→原油が上がる。→輸送コストが上がる。
円安になればさらに負担が増える。
その影響が数か月遅れて、燃料費調整額として電気料金に反映されます。
ニュースで見る「中東」「関税」「原油価格」は、自分の部屋の電気代につながっています。
10月は「補助があるのに上がった月」
今回の10月分は、これまでの流れを理解するうえでかなりわかりやすい月です。
8月は補助が始まり、料金が下がった。9月は補助がさらに厚くなり、もう少し下がった。
そして10月は、補助が少し縮小し、燃料費調整も悪化して、332円上がった。
この流れを見ると、電気代は単純に「節電したかどうか」だけで決まっていないことがわかります。
政策。燃料価格。為替。中東情勢。貿易摩擦。
いろいろなものが重なって、最終的な請求額になります。
固定費は「安い・高い」より理由を見る
一人暮らしをしていると、毎月の固定費はできるだけ軽くしたいところです。
でも、電気代を100円、200円下げるために無理をするより、
「なぜ今月上がったのか」「補助はいくら入っているのか」「補助がなければいくらなのか」
を知っておく方が、長い目では役に立ちます。10月は約6,399円。
9月より332円高いですが、補助がなければ約7,099円でした。今はまだ補助が効いています。
だからこそ、支援があるうちに「本来の料金」を見ておく。
その感覚があると、次に電気代が動いたときも、必要以上に驚かずに済みます。
世の中の仕組みを少し知るだけで、毎月の固定費の見え方はかなり変わります。


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